Rational001s 説明書 | 創造の館shop

　Rational001sはこの世で最も安定なオイルの一つであるパーフロロポリエーテル（フッ素オイル）をベースとしたコンタクトオイルです。塗布することで接点抵抗を安定化させ、接点の摩耗や腐食を防ぎます。

　オイルの酸化、劣化、蒸発はほとんどなく、半永久的に効果を持続します。プラスチック、ゴムに悪影響を与えません。あらゆる機器、部位に安心して使えます。硫酸、塩酸をはじめ、ほとんどの薬品、腐食ガスに侵されません。－40～180℃の広い温度範囲で潤滑作用を発揮します。

用途

　下記の用途には使えません。

・アークが飛ぶような高電流接点
　ヒータのバイメタル接点、電気ポットのマグネット接点など。このような部分に塗ると逆に接点の寿命を短くする場合があります。このような用途にはRational003をお使いください。

・カーボン接点、導電ゴムパッド
　キーボード、電卓のラバー接点。油膜が切れにくいため、接触が悪くなります。

・磨耗や腐蝕などが原因で著しく劣化した接点
　油膜が接触を阻害し逆効果になることがあります。

・元々接触圧が弱い接点
　接触圧が弱いとオイルの油膜が切れず、接触不良を起こすことがあります。この場合オイルを除去すれば元に戻ります。

・リレー接点
　リレー接点は微妙なバランスで設計されており、何もしないのが無難です。

･ゴム類
　多少の影響があります。

(1)接点に付いている油分や汚れ、埃等をよく取り除いてください。
　既に他のオイルが付いている場合は５項を参照して取り除いてください。
　ボリウムのガリを直す場合は、事前に電子部品用の洗浄剤などでカーボンの粉を除去してください。

(2)フッ素の微粒子がオイルの中に分散されていますので、長時間静置した場合分離している場合があります。この場合は事前に少し振ってご使用ください(強く振ると瓶が割れる恐れがありますのでご注意ください）。

(3)接点にオイルを薄く塗布します。このとき電気接点以外の部分に出来るだけオイルが付かないようにしてください。

注：接点以外の部分に塗布すると、差込が抜けやすくなるなどの弊害が起こる可能性があります。また、塗りすぎると垂れの原因になります。
　黒いプラスチックの表面に付けないでください。添加されているフッ素粒子のため、白くなってしまうことがあります。

＜ヒント＞
　メス型接点に対してはオス側に塗布して差し込むと容易に塗布できます。
　細長い場所は厚紙やダンボールの切れ端に塗布して差し込むようにすると簡単です。

(4)接点を勘合させ、余分ににじみ出てきたオイルを拭き取ってください。余分なオイルを除去しないままにしておくと、ホコリが付着し汚れや接点不良の原因になります。

(5)使用後はキャップを閉めて冷暗所に保管ください。
　使っていないケーブルやコネクタに塗布した場合は、サランラップで包んだり養生用テープ等でホコリが付かないよう被服してください。

(1)乾いた不織布(レーヨン100%の不織布など)でよく拭きます^[1]。

(2)下記のクリーナーを使って洗浄します。

　HCL LENS クリーナー
　IPA(イソプロピルアルコール)

　これらのクリーナはフッ素オイルを溶解できませんが、オイルと素材との間に潜り込んでフッ素オイルを浮き上がらせる働きをします。

　これらのクリーナはプラスチックや印刷に対する影響がゼロではありません。目立たない部分で試してからお使いください。

(1)飲み込んだり、皮膚に塗ったまま長時間放置しないでください。皮膚に付いた場合は石けん等で洗浄してください。
(2)指にオイルが付いた状態でタバコを吸わないでください（燃えると有毒なガスが発生します）。
(3)フッ素オイルはココム規制品に該当するため国外に持ち出すことはできません。

(1)現在、他のコンタクトオイルを塗っていますが、どうしたらよいでしょう
　既に他のオイルが塗布されている場合は、洗浄＆除去してからお使いください。

(2)接点を復活、洗浄させることはできますか？
　本品は洗浄剤を含んでいませんので、錆びた接点の復活や、汚れた接点を洗浄する作用はありません。事前に洗浄してから塗る必要があります。

(3)塗ったはずのオイルが見えなくなった
　本オイルは常温では蒸発しませんので、金属表面に塗布した物が無くなることはありません。

(4)オイルを塗ったら接触が悪くなってしまった
　キーボード、電卓などに使われているカーボン接点や、元々接触圧が小さい接点では油膜が切れず接触が悪くなることがあります。

(5)白い粒が見えるのですが
　白く見えるものは本品に含まれるフッ素粒子です。

(6)フッ素粒子が絶縁になりませんか
　フッ素粒子は勘合による剪断、圧縮力によってより小さな微粒子に破壊され、金属の微細な凹凸の中に埋没しますので、接触不良の原因になることはありません。

(7)品質保持、消費期限はありますか？
　キャップを閉めて冷暗所に保管したオイルは基本的に劣化しませんので、品質保持期限ありません。末永くお使いいただけます。